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キャラクターは瞳を入れることで命が宿るとか、格好良い言葉で書かれているイラスト講座や専門書籍をちょくちょく見かけます。 私はそんなキザったらしいこと言えるような性質ではないんですが、実際自分のキャラに瞳を入れると成るほど確かにキャラクターが生き生きして見えるように思います。
自分で下絵を入れているときに思い描いている瞳の表情をキャラクターに入れることで、そのキャラクターにこめた意味・・・みたいなものを視覚的に見ることができるからかなと、なんだか結局キザったらしく思ってしまったりもするんですが、ただ実際、目は口ほどにものを言う諺にあるとおり、絵の中で重要なウェイトを占めている部分であるのは間違いないでしょう。
大学に入る前は写実的な絵を好んで描いていて、今のアニメ絵にあるような目の大きなキャラクターなんてのは全っ然描いていませんでした。 そのころはちっこい目に、黒目とほんの少しの虹彩を書き入れればそれで何とでもなっていたのですが、ここ最近目の大きなキャラを描くようになって、改めて自分のスキルの無さを感じている次第です。
キャラクターに瞳を入れないというわけには行かないので講座で説明していますが、この部分は実際のところ、恥ずかしくて人目に見せたくないなというのも正直な感想だったりします。
図1:白目を描画する
先ず、目を描く上で最初のレイヤーになる白目のパーツを作成します。「目 下地」という新規レイヤーを肌とのによるグループ構成に変更(詳細)後、ブラシツール「」を用いて白目を描画していきます。 このときのタッチには不透明度は100%、筆圧感知入力の類は一切カット(つまり、タブレットからの入力信号を殆ど無視するということですね)して描いていきます。
図2:目元をぼかす
さて、「図1」で描かれた白目ですが、このままだと肌と白目の部分がくっきり分かれていてなにやら不気味な感じが私にはするので、指先ツール「」を用いてエッジをぼかしていきます。 このツール、乾いていない絵の具を指先でこする時のような効果があるのでその名の通りのツール名なんですが、エッジのあたりでこの指先ツールを白めと肌との間で小刻みに揺らすと、その双方の色が混ざり合って中間色を形成するという面白い性質があります。こういった小規模な範囲をぼかしたり、双方の色がお互いに対して変わらない色相の場合などには、比較的簡単に効果が出せるので使い出すと、実はかなり重宝するツールだったりします。
この状態で白目は一応完成ですので、透明部分の保護(詳細)を適応します。
補足:指先ツールは「筆圧感知入力」を設定した状態で描画しています。
図3:白めに陰影をつける
アイシャドウ・・・じゃないですね。 目の丸みを表現するために。瞼側に接している白目の部分をエアブラシツール「」を用いて描画していきます。 一応、目の色が蒼ですから、青系統の色を作成して描画していますが、別に灰色っぽいカラーリングでもかまいはしないでしょう。好みの問題だと思います。 ちなみに私の場合、この白目の陰影は、黒めに相当する色成分と同じカラー(黒目が赤っぽければ影も赤形にする)ようにしています。 今回は蒼目ですから、青色ですね。
図4:黒目の切り出し
実際には黒目にこの切り出されたパーツを用いることは殆どありません。 だったら別に描いていなくてもいいんですが、どうもキャラクターに目の輪郭すら入れていない状態だと、親近感に欠けすぎるということもあってあえて入れてあったりします。 実際に瞳を入れるときには必要ありませんので、多角形選択ツール「」を用いて切り出し(詳細)を行います。
図5:黒目を基底色で塗りつぶす
あくまで参考でですが、「図4」で切り出した黒目の形状を元にして実際の黒目を描画します。 レイヤーは新規に作成して「黒目 下地」としておきましょうか。
基底色ですから筆圧感知入力は必要なく、ブラシツール「」で塗りつぶしていきます。 最初は輪郭線をとるような形で周りを描いて、それから中を描くというのがいつもの私の手法です。 キャラクタラインで暫定的に描かれていた黒目は、左右で形が歪でしたので、実際の黒目を描くときは、その辺を注意して描いていくことにしています。
描き終わったら「透明部分の保護(詳細)」を指定して、作業を完了します。
図6:黒目に陰影をつける
作成した「黒目 下地」レイヤーに、エアブラシツール「」、覆い焼きツ−ル「」を用いて描画していきます。
基本的には「」形状を用いて、全体的に均一な陰影を得つけるように心がけています。
覆い焼きツールで黒目のふちの色を抜いていないのは、どうも個人的に気に入らないからというだけで、特に大意はありません。一種の癖ですね。
これも描き終わったら「透明部分の保護」を施します。
図7:瞳孔を描きいれる
「黒目 瞳孔」レイヤーはその名の通り、黒目の中の瞳孔を描くために作成したレイヤーです。 場所は「黒目 下地」レイヤーの上になります。
黒目の最も恋部分をブラシツール「」を用いて描画します。 瞳孔が黒目に対してどの方向に寄っているかによって、目の向いている方向が決定されます。ですから、白目に対して黒目が右を向いているにもかかわらず、動向が黒目に対して左を向いているなんてことをすると、凄くアンバランスな目になってしまうわけです。 この絵の場合は画面左ちょっと上くらいを見ていますから、瞳孔の位置も若干それに習って位置を修正しておきます。
図8:瞳孔に光を入れる
作成した「黒目 瞳孔」と「黒目 下地」との境界のエッジも、ブラシツール「」を用いていますから、その分だけ際立っています。ですからこれも、指先ツール「」を用いてエッジをぼかします。 後、「透明部分の保護(詳細)」を施しておきます。
エアブラシツール「」、覆い焼きツ−ル「」を用いて瞳孔に光を入れていきますがこのとき、エアブラシツールは均一な陰影をつけるために「」を用いていますが、覆い焼きツールでは「」形状のブラシを用いて、光をより強調して描いていることにお気づきでしょうか。
図9:光が反射している部分を均一に整える
黒目には「黒目 下地」と「黒目 瞳孔」の2枚のレイヤーがありますから、これを相互にアクティブに、エアブラシツール「」、覆い焼きツ−ル「」を用いて修正していきます。 光が濡れた目に反射して眩しく輝いている表現を出すために、光のあたっている左上の方向(詳細)を限りなく城に近づくまで覆い焼きで色を抜いてしまっています。
図10:目元全体を整える
「キャラクタライン」レイヤーで描かれている目元の部分を、髪の毛の色と同じ青系統へ変換します。 ブラシツール「」を用いて、目の瞳孔あたりからスポイトツール「」で抽出(詳細)したカラーを用いて目の部分と眉毛、睫毛を編集します。 ちなみについでに、顔の刺青にも色を彩色していたりします。
図11:全体を調整する
目を描きいれたことによって、顔全体をもう一度見渡してみておかしいなと思う部分を修正していきます。 この場合は肌の陰影や口元などを若干変更しています。
図12:瞳を描きいれた状態の上半身像
上半身をみると上図のような感じになります。 瞳を描きいれただけでもやっぱりずいぶん生き生きしますね。
キャプチャした画像は Adobe Photoshop4.01 のものです
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