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1:現在の画像の確認
一応、今まで作成したレイヤーを確認しておきましょう。
図1:現在のレイヤーの総数
・・・なんだか凄い数になってしまいましたね。「第5章の2」で取り扱っていた時の3倍以上に膨れ上がってます。 まぁただ、使える機能は最大限に使っても損は無いですから、別にこれくらいは・・・って、メモリーの容量が許す限りという制約がありますけどね。 スワップが始まってしまうと処理が極端に重くなって作業になりませんから。
2:光の入射位置を確認する
色指定、というか下塗りが完了しているので、キャラクターの大体のカラーリングは見えてきていると思います。 あとはこのキャラクターに立体感をつけるわけですが、そのためには主となる光の入射位置を決めておかなくてはなりません。
図2:入射位置
構図から若干上にカメラがあるような設定になってますから、入射する光もキャラクターより若干上から照らしているように配置するのが一番自然でしょう。 生活の1シーンなんかを描くのであれば入射位置が必ずしもカメラからきている必要はありませんが、少なくともこの絵に関しては思いっきりカメラ目線で意識しているように見えますので。 というかそういった絵ですし(笑)。
入射する光は何もカメラの方向から当てられているものばかりではないので環境光は別に存在しますが、その光がどのあたりからどんな感じでといった事を綿密に決めることは無いと思っています。まぁそんなに難しいことは考えずに、大まかに入ってくる光の位置をきめてからそれにあわせて陰影をつけていけば、それなりに立体感が出るのではないかと、勝手に思っています。 少なくとも私のほかの絵ではその程度でやってますので、キチっと決めないと気がすまないのであればここは見ても意味が無いかもしれません。
というわけで、光の主な入射位置は「図2」のように指定しておきます。
3:ベースの陰影をつける
さて、光の入射位置が定まったら、それに対して逆の部位に色を塗り重ねて陰影をつけていく作業に入ります。
図3:陰影用の色を取得する(淡色用)
ここでは単純に同じ色相で塗り重ねを行いますから、ツールボックスのスポイトツール「」で、塗り重ねを行う部位のベースカラーをカラーとして取り込みます。
スポイトツールを選択して任意の場所でマウスをシングルクリックすると、そのクリックした部分のカラーが吸出しされ、そのまま描画色として指定することができるようになります。詳しくは「図3」をご覧ください。
図4:エアブラシツール「」の設定
塗り重ねをするためのカラーが決まったら、実際に彩色をするためにエアブラシツール「」を選択します。
今まで虐げてきたタブレットの筆圧感知機能ですがここでようやく日の目を見ることになるわけです。詳細は「図4」をご覧ください。
エアブラシツールの設定は、筆圧感知入力として「強さ」にチェックを入れます。こうすることで、タブレットの筆圧によって、彩色されるカラーの不透明度をリアルタイムに変化させることができるようになります。 今回は新規のレイヤーではなく、すでに下塗りしているレイヤーに塗り重ねていくわけですので、不透明度の変遷はそのまま塗り重ねたときの色濃度へ変換されます。
当然塗り重ねをするわけですから、重ね方は「乗算」を指定します。「」をクリックして、塗り重ねる方法を指定してください。
ここでは筆の1ストロークで行われる最大の不透明度を22%に指定しています。 つまり、タブレットの筆圧感知機能で最大値を出したとしても、スポイトツール「」で指定した描画色に対して22%の不透明度でしか描画しないことを意味しています。 かなり薄いように思えるかもしれませんが、仮に不透明度が100%だったりすると1ストロークで最大でオリジナルカラーの2倍の色濃度が出てしまうことになる(ベースカラー+塗り重ねた色)ので、かなり陰影がくっきりと出てしまいますので、これくらいの値がまぁ、妥当でしょう。 一度に反映される色の濃度が少なければ少ないほど塗り重ねをする回数は増えますが、何かとつぶしがききますし。
図5:淡色部の陰影をつける
さて、エアブラシツール「」の設定が完了したらいよいよ塗り重ねに入ります。 基本的には「図2」で指定した入射光の反対側に塗り重ねていくことになります。 塗り重ねを繰り返していくことでパーツの丸みなんかを強調して描いていくと比較的簡単に塗り重ねていけると思います。 若干慣れがいるのかもしれませんが慣れてしまえばあとはもう、殆ど何も考えなくても機械作業で進めていくことができるようになります。もともと機械の陰影ですから人肌とは違って凹凸が少ない分、塗りやすいということもありますので。
図6:陰影用の色を取得する(濃色用)
淡色部の塗り重ねが終わったら、次は濃色部の塗り重ねに入ります。 再びスポイトツール「」で描画色を変更します。
図7:濃色部の陰影をつける
淡色部同様、塗り重ねをしていきますが、淡色部の場合に比べて描画色の色濃度が高いので、若干タブレットで塗るときに力を抜いたほうが良いかもしれません。
陰になる部分は殆ど黒に近いような色まで塗り重ねても、なかなか強調されて面白いかもしれません。この辺は個人の好みでしょう。
図8:全体の塗りが完了した状態
すべてのパーツに影を塗り重ねた状態が「図8」になります。 なんていいますか、ちょこっと陰影を重ねただけなんですけどそれなりにサマになっているように見えてしまう(少なくとも私には)ので不思議なものです。
キャプチャした画像は Adobe Photoshop4.01 のものです
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