No.07 陰影の基底部を作成する
03 陰影を強調する / シャフトを描く
 
 1:陰影を強調する
 前ページまで陰影は大体完成しているのですが、まだ濃淡だけで色相そのものには手が加えられていないので、今ひとつインパクトに欠けています。というわけで、黒の成分を影の部分に追加することでそのインパクトを補おうというのがここでの作業です。


図1:陰影を強調するための色を作成する

 これまでと違う色相を使うわけですからスポイトツールで色を取り入れることはできません。 したがって、ツールボックスにある描画色を手動で変更する必要が出てきます。簡単な設定方法を「図1」に示します。
 ツールボックスの描画色をシングルクリックしてカラーピッカーウィンドウを表示させます。 キャラクタのボディカラーが青基調ですから、濃淡をつけるカラーリングは青に黒を混ぜたような色を使うことにします。黒成分だけを付加するということで、灰色を合成するのも悪くは無いですが、そうすると陰影が強調されすぎて汚くなってしまうことがあるので、あくまで基調色に黒成分を追加するという意味で、カラーを決定しています。
 色の選択が完了したら、[ OK ]をクリックすることで適応されます。


 黒成分を追加しすぎると汚くなってしまうので、より慎重に筆を動かして表現していきます。 あくまで影の部分を作成するわけですから、エアブラシで塗り重ねられた部分を保管する形で、ふちの部分を強調するような感じで塗り重ねていきます。ツールには「」エアブラシを用います。設定は このままで問題ありませんが、一度で反映される黒成分が多いので、より筆は柔らかく走らせると良いでしょう。
 配色が完了した状態が左図になります。 より陰影が強調されているのがおわかりになりますでしょうか。



 さて、上記の塗り重ねを全体的に適応したのが左図になります。 まぁ言ってもそれほど変わったわけでもないですが、こういった地道な積み重ねが、絵のリアリティを上げていくのだと勝手に思い込んでいる部分がありますので、私が思っているほど違いはわからないかもしれませんね。
 まだ上半身にまったく手を加えていませんのでいまひとつわかりにくいですが、一応最初に規定した光の位置にあわせて陰影をつけたので、その辺がまぁ自分自身で納得できるまでちょこちょこと修正していくのが普段の作業になります。


 → 
図2:色見本に作った色を追加する

 さて、「図1」で作成したカラーですが、このまま他の作業を始めてスポイトツールなどで描画色を変えてしまうと後々に陰影を追加しようと思ったときに困ってしまうので、すぐに取り出しができるように色を登録しておく必要があります。 色の登録には[色見本パレット]の空いている部分をクリックすることで行えます。 詳しくは「図2」を参照ください。
 すでに登録されている部分にマウスを持っていくと「」スポイトマーク、色の登録がされていない部分へ持っていくと「」塗りつぶしマークにマウスの形状が変わります。




 キャラクタの設定上、前脚と後ろ足の間はシャフトで結ばれているという形状になってますから、この部分の陰影を付けていくことにします。
 左図にある赤いガイドラインは、キャラクタの水平線等を規定したときに作成したものです。(詳細 シャフトは地面に対して水平ですから当然、光の反射方向も、地面に対して水平になります。



 ガイドラインにあわせて
」エアブラシツールや、
」覆い焼きツールなどで陰影を追加していきます。 ブラシの走らせ方はガイドラインにあわせて平行に作成していけば良いでしょう。



図8:全身像

 カメラの位置が若干上方にあるという微妙な位置ですから、光の入射には注意しておきたいところです。 厳密に決めていく必要はありませんが、ガイドラインなどを作成しておくと、局所拡大して作業を行うことの多いCG描画作業ですから、より効率的に塗りを進めていけるのではないかなと思います。


キャプチャした画像は Adobe Photoshop4.01 のものです

ページの最上段へ移動します