No.07 陰影の基底部を作成する
02 光の反射を描き込む
 
 2:覆い焼きツールでさらに陰影に強調をつける
 前ページで同一色相で色を塗り重ねていきましたが、これだと最も薄い部分がベースカラーの色ということになるので、非常にマットなイメージになります。金属光沢のような表現を出そうと思うと、やはり光の反射している部分は白っぽいカラーリングに塗り重ねるのが良いでしょう。
 そのために、ツールボックスには覆い焼きツール「」という機能が備わっています。 もともとは暗い写真に明暗をつけるといった用途で使うためのツールですが、イラストに用いると光の反射のような表現を比較的簡単に出すことができるようになります。


図1:覆い焼きの設定

 覆い焼きツール「」の設定が「図1」になります。不透明度は最初は50%程度に指定されているようですが、これだとタブレットの1ストロークで反映される量が多いですから、不透明度は23%近辺を選択します。 あとは筆圧感知入力として「露光」のチェックボックスが入っていることを確認して、一切の作業に移ります。


 さて、実際に陰影をつけていくことにしましょう。 ここでは「淡色部 手前」「濃色部 手前」の2つのレイヤーに描かれている前脚部分に覆い焼きツール「」を適応していくことにします。 前ページのエアブラシツールによる描画が光の入射位置と逆を塗っていましたから、今度は入射して反射するであろう部分に覆い焼きを適応していきます。
 まぁ別に、実際のモデルを目で見たわけでも3Dにしてチェックしたわけでもないので「厳密にこの部分が反射している!」と言い切れるわけではないのですが、逆にいえば大体の部分に覆い焼きしていけば、それなりに光が反射しているように見えるはずです。
 反射をしているわけですから、最も反射率の高い部分は限りなく白に近くなるわけで、思い切って大胆に覆い焼きをして色を抜いていってしまうのもなかなか面白いと思います。 光の反射はパーツの材質によって異なりますので、普段から日常でいろいろと反射の度合いなどを観察しておくと良いでしょう。 といいつつ自分自身があまり実践していないので説得力ありませんけど。 一応このキャラはパーツ全体がマットなサーフェースになっているという設定なので(VAIOの505見たいな感じ)こんな感じに光を表現してみました。
 覆い焼き作業が完了すると上図(もしくは左図)のような感じになります。



 同様に、後ろ足にも覆い焼きを適応していきます。レイヤーは「黒色部 中」「濃色部 中」「淡色部 中」「黒色部 奥」「濃色部 奥」「淡色部 奥」「淡色部 最奥」になります。前脚より扁平の部分が多いですから、その辺を意識しながら色を抜いていくと結構サマになるのではないかなと思ってここでは左図のような感じにしてみました。 後ろ足と胴体との接合部まで覆い焼きをしてしまうと立体感が損ねられてしまいますので、接合している部分は逆にエアブラシツールで塗り重ねておいたほうがリアリティが増すでしょう。
 覆い焼き作業が完了すると左図(もしくは上図)のような感じになります。




 後ろ足は基本的に前脚と同じ描き方になりますね。第二関節の部分は後に調整しますので(まぁこれは前脚も同じですが)基本的には大まかに、光の位置へ覆い焼きツールで描いていけばよいでしょう。


図2:全身像

 この時点での全身像は「図2」になります。手前から光がきているように見える。その程度でよいのでないでしょうかね。 最初から綿密に光を入れていくことができればそれに越したことは無いですが、どうも私がそれをうやると不思議なことにリアリティに欠けてしまうので(笑) 今はこの方法で落ち着いています。 ですのでまぁ、今のところはおかしくなければそれで良いでしょう。






キャプチャした画像は Adobe Photoshop4.01 のものです

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