No.03 Painterによる描画
04 髪の毛の描画からPainter作業の完了まで
 
 1:髪の毛描画用のレイヤーを用意する



図1:レイヤーを作成する
 レイヤーの作成方法は、 こちら輪郭線作成用のレイヤーを用意する を参考にしてください

 髪の毛は、極細ブラシと鉛筆詳細を用いて描画します。 極細ブラシで髪の毛の大まかな流れを描き、鉛筆で細かな一本一本の髪の毛を植毛していくので、レイヤーは「下地」と「詳細」に分けて描きます。(このキャラクターはポニーテールですので、頭の後ろに来るポニーの部分はまた別のレイヤーで描きます)
 アート素材ウィンドウで髪の毛のベースカラーを決定し、ちゃっちゃかと塗っていきます。 別に塗ることに関しては大した事は考えていませんが、一応髪の毛ですから、頭から流れるように植毛していくと良いでしょう。

 
 髪の毛は、上にも書いたとおり流れを描いていくことになります。また、Painterの特性上、描いたラインは極力消去したくない (これはPainterがアナログの表現をするために、ストローク情報に不確定要素を追加していること、同一レイヤーに描いていくので修正が非常に困難ということが挙げられます) ので、最初に髪のアタリをとり、そこに描画していくのが私の手法になります。

 
 あとは、アタリをつけたラインを参考に、頭の頂点(渦の部分ですね)から順次流していきます。 本当にそれだけですが、髪の毛(に限ったことではありませんが)を描く場合、そのラインをいかに自然に描けるかどうかということは、タブレットに対する熟練度にかかっていると思います。 という私もまだまだですが、これはもう、描いて慣れていくしかありません。

 
 鉛筆で詳細な髪の流れを描くのも基本的には同じです。 下地の極細ブラシのストロークですでに基本的な流れは描きこまれていますので、あとはそれに対して鉛筆ブラシで強調したい部分や、乱れている部分などを書き加えていくという形になります。 基本的には下地と殆ど同じ色を用いていますが、陰になる部分などは若干ブラシの濃度を上げて塗ることもあります。

 
 
 ポニーテールの部分も描き方は同じで、下地にアタリをとり、全体的なラインを整えてから鉛筆で細かく書き込んでいくという形になります。
 ちなみに、ポニーの部分と頭の部分は同じ色を用いているので現時点では区別はなかなか無い状態になってます。 これはPhotoshopで修正していきますので今は特にこのままで完成ということにしておきます。

 
 ケンタウロスがモチーフのキャラですから、尾の部分を髪と同じように描画しておきます。 メカの部分はこの時点ではどのような決定形状になるかまだ定まっていないので、「大体この位置に来るだろう」という大まかなアタリを取って描いていきます。 レイヤーは別で描き、メカ部分の位置によってはフレキシブルに変更できるようにしておくことも大切でしょう。

 最終的に作成された髪の毛、キャラクタラインのレイヤーは、図2のようになります。



図2:最終的に作成したレイヤーの数



図3:Painterで完成させた部位

 線のビビリやちょこっとした修正を施して、Painterでの作業は終了です。後はPhotoshopで作業をすることになります。



 ちなみに、Painter5.5では、PSDの読み込みと書き込みの双方をサポートしていますが、Photoshopの完全互換というわけではないので注意が必要です。 調整レイヤーやレイヤーのグループ化という機能は属性を追加して保存できないばかりか、Photoshopでこういった属性を用いた画像を作成した後、Painterでそのファイルを開いて保存すると、これらの属性は破棄されてしまいます。 恐らく、Photoshop4.01以降のバージョン(5 5.5)で新規に追加された機能にも、こういった症状が発生することになるかと思います。
 あわせ技としてPhotoshopとPainterを導入して描こうとなさる方がいたら、その点は十分に注意してください。
 特に、この講座で指南するパスの機能に関しても、正確にサポートされてはおらず(Painter固有のシェイブというラインに変換されます)、折角作成したデータが破棄されてしまうこともありえます。
 また、Painterだけをお持ちの方は、Painterで描いたデータをPSDに保存することは避けた方が懸命です。 Painter固有の機能で保存できないものもありますし、何より、画像が圧縮されずにPSD化されるので、簡単にファイル容量が100MBを超えてしまいます(ちなみに、Photoshopで開いた後保存すると、5MB程度になることが多い)
 この辺は後のPainterでは修正されている可能性もありますが、どっちにしろ他社メーカーの製品同士、完全互換はありえませんので、やはり注意するに越したことはありません。

 ちなみに、Photoshopは、Painterの固有形式「RIFF」は、読み込みも書き込みもサポートしていません(4.01現在)


キャプチャした画像は Metacreation Painter5.5 Web Edition のものです

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