No.03 Painterによる描画
01 描く前に
 
 1:Painter とは
 今回の講座はPhotoshop主体ですが、もともと私の描画方法はPhotoshopとPainterの両方を用いた彩色方法ですので、簡単にここでPainterの塗りを実践してみたいと思います。 Photoshopのみの講座を希望する方は、「No.03」の章は読み飛ばしてしまって構いません。 私がPainterで塗りを施す部分は輪郭線と髪の毛ですが、これは別にPhotoshopで描けないというわけではないので、Painterで私の塗った部分を参考にしてもらっても構いませんし、他のネットの作家さんの描画方法を参考にしても良いでしょう。



 さて、Painterですが、このツールはPhotoshopとは違い、アナログのラインを強調した作品を描くのに非常に適しているということは「No.01」の回で説明したとおりです。手書きのラインを出した輪郭線や、髪の毛の自然な流れを描こうとすると、やはりどうしてもPhotoshopよりPainterに軍パイがあがります。 Photoshopで不可能というわけではなく、単純に描きやすいという点でだけですが。 私がPainterを持っているのもその辺の労力を軽減するためというのが多いので、やっぱり作業はPhotoshop主体です。 ですから、Painterの大きな特徴でもある水彩ブラシ等は、今回の講座では使用しませんから、Painterの詳細な使用方法を期待した方は、やはりこれも、他のネット作家さんの講座を参考にしてください。



 2:Painterで描くための準備


 
各ウィンドウの名称

 マニュアルにもありますので割愛しても良かったのですが、一応これが各ウィンドウの名称になります。 標準状態で殆ど表示されているはずですが、されていない場合は、[ウィンドウ]タグの各ウィンドウ名称をクリックすれば表示されます。
 Photoshopのように各ウィンドウの表示形態をカスタマイズできないので、だいたいどのツールでもこのような感じになっているはずです。


 というわけで、先ずはブラシを描けるようにカスタマイズすることから始めます。
 あくまでPhotoshop主体ですから、描画はすべて透明レイヤーと呼ばれるPhotoshopと互換のあるレイヤーの上で描きます。Painterの標準ブラシは透明レイヤー上で描画できないですから、この辺をカスタマイズしてしまいましょう。



図1:ブラシの自動作成を選択

 Painterでは、ブラシのサイズを変更すると、それをいちいち確認してきます。 サイズを頻繁に変更していく場合など、かなりこれは鬱陶しいので、ブラシウィンドウから[ブラシ]タグを選択し、[ブラシの自動作成]をクリックし、チェックマークをつけてください。そうすることで、ブラシサイズを変更した場合でも自動でサイズを変えてくれ、いちいち確認の表示が出なくなります。



 3:レイヤー上で描くためにブラシをカスタマイズする
 キャラクターの輪郭線は「鉛筆」を用いて描画しますので、この鉛筆のブラシを.透明レイヤー上で描画できるようにカスタマイズしてみます。



図2:鉛筆を選択する

 先ずは、数あるブラシから、鉛筆のマークを選び、クリックします。上段の5つは、最近使用したブラシが格納されていますので、最初にもしこの部位にブラシが表示されていない場合は、ブラシウィンドウの スイッチ部をクリックして、すべてのブラシを表示させて、その中から選択してください。
 鉛筆は、標準で「鉛筆<2B>」というバリアント名になっています。 もしなっていない場合は、バリアント名をクリックして 「鉛筆<2B>」バリアントを選択してください。



図3:バリアントを「鉛筆<2B>」へ変更

 「鉛筆<2B>」は、背景に描写することが前提のバリアントですから、この設定を透明レイヤー上で描画するために、手法を変更します。

 
図4:手法を「プラグイン」へ変更

 これで、描画する位置を、透明レイヤー上に変更されました。 尚、透明レイヤーブラシは原則として背景に描くことが出来ないので、背景に描画する(私は描きませんが)場合はこのブラシは使えません。  さて、手法が変更できたら、次は描画する鉛筆のサイズを変更します。 これは「コントロール」ウィンドウで操作します。 画面上にウィンドウが表示されていない場合は図5のように[ウィンドウ]タグから[コントロールの表示]を選択してください。


図5:コントロールウィンドウの表示

原稿のサイズにもよりますが、180dpiであれば、大体2.0あたりのブラシサイズが妥当です。


図6:鉛筆のサイズを変更




 4:ブラシバリアントを保存する
 さて、折角設定したバリアントですが、この状態では実は一時設定になっているに過ぎず、ブラシを変更したり、Painterを終了させたりすると情報は飛んでしまいます。 というわけで、この設定のバリアントを記録して、すぐに呼び出し出来るようにしましょう。


図7:鉛筆のサイズを変更

 バリアントの保存は、ブラシウィンドウの[バリアント]タグから[バリアントの保存]を選択することで行えます。 標準では「鉛筆<2B>」となっていますが、これをそのまま保存すると上書きされてしまうので、必ず名前は変更しましょう。


図8:バリアント名を決定する

 ここでは名前を「鉛筆 Layer」にしてありますが、任意の名前で構いません。 名前を指定し、[ OK ]をクリックすると、今まで設定したバリアント情報が[ 鉛筆 Layer ]に反映されます。


図9:バリアントが保存されている

以後、透明レイヤー上で鉛筆を用いる場合は、この「鉛筆 Layer」を選択することでいつでも簡単に描けるようになります。


図9:バリアントを選択する





 5:他のブラシを作成する
 髪の毛を描画するには「極細」ブラシを用います。


図10:極細ブラシを選択
既にバリアントを変更して「極細ブラシ Layer」ブラシを作成してあります

 このブラシは、手法をプラグインに変更し、透明レイヤー上で描けるように変更した以外は修正していません。 「4」で説明したとおり、バリアントを保存して使用しやすいようにしておきましょう。


図11:ブラシの描画例

 鉛筆ブラシはPhotoshopのブラシとよくにていますが、ストロークなどのタブレット情報をディザリングに反映していくあたりに鉛筆のリアリティを出す工夫がされている面白いブラシです。
 極細ブラシはまたこれも面白く、1ストロークで複数の細かな線を描画することが出来る優れものです。 簡単に柔らかい髪の毛の表現を出すことが出来るので最近はこのブラシを多用しています。


キャプチャした画像は Metacreation Painter5.5 Web Edition のものです

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